再販考
再販ブームがきて何年が経つんだろう。もちろんミニカー界だけでなく、あらゆるものが古き良き時代の復刻に精を出した。トミカも同様であり、ミニカーショップ特注品を筆頭に今やメーカー自身も復刻に精を出している。当初はスカイラインの復刻が多かったが、今や「なんでもあり」という所まで来てしまった。

2000年6月に発売された180円トミカは30周年記念モデルとしての登場だ。ここではこの180円トミカとオリジナルを見比べてみたいと思う。


6-1フェアレディZ432(左オリジナル、右180円トミカ)
1Dホイールが古さを醸し出すオリジナル。箱はホント、忠実すぎて恐ろしいくらいだ。塗装の質感はだいぶ違う。当時のはラッカーで現在のものはポリウレタンかエステルを使用していると思われる。そのため塗膜の厚さが増し、スジボリが埋まってしまっている。


21-1スカイライン2000GT(左オリジナル、右180円トミカ)
レーシングへの変更でだいぶ金型がいじられてしまった2000GT。イイノではノーマルシャーシも作成された。グリルパーツ、シャーシ、ボディとかなりの違いが見られる。オリジナルが高価で入手しずらいため、180円トミカでの人気も高く、先に売れていった感がある。


86-1セリカLB2000GT(左オリジナル、右180円トミカ)
1Aを再現する白1Hがなんとも涙ぐましい。ノスタルジックヒーローズから1Eホイールが復刻されるという広告が出ていたが、真相はどうなのだろう。なんでもかんでも当時のようなスタイルを取られると、オリジナルを苦労して手に入れた甲斐も薄れてくるかもしれない。それにしても現在の懐古主義というか、ある意味「レトロ」はどうも馴染めない。このLBではオリジナルのボディカラーカラーとシートカラーがリアルに追従されている。ここまでやるのかと驚きもある。
暗黙の了解
もともとミニカーの世界には再販時には「ちょこっとでも」オリジナルとは違うように作るような暗黙の了解があった。オリジナルの希少性を大切にする意味もあり、それがバリエーションを追いかける楽しみでもあった。タミヤのプラモがパッケージまでクリソツに再販される現在、ミニカーの世界もある意味仕方ないのかも知れない。

この180円トミカはみなさんもご存じの通り、公開した発売日にズレが生じ、買えなかった人も多く出たと言われている。そのため8月中旬から下旬に増産するということだが、この180円トミカでさえ希少性は薄れるわけだ。(元々たいして希少ではないが・・・)トミーのお詫び

ただこの初回180円トミカをゲットするため汗を流した方も報われなくなるということ。「こっちを立てればアッチが立たない」という、まるで政治家のようだ。(笑)ましてや採算のとれない「180円トミカ」の増産はメーカーとしてもつらいところ。ヘタに消費者を限定であおると痛いシッペ返しをくらうというある種の教訓か。

ひゃくまんえんトミカ
だいたいにしてあの「ひゃくまんえんトミカ」ですら何を考えているのか分からない。せめてホイールやシートはプラのほうが質感が保たれただろう。おっと、そんなことじゃない。パーフェクトコレクションのため、ひゃくまんえんトミカに手を出さねばならないと言わんばかりの企画である。

トミーといえば割と良心的イメージがあったが実は昔からそうでもなかったようなのだ。ミニカーショップ系特注は入手しやすい。これはいい。しかし企業向け特注も今のチョロQのように昔からやっていた。それはそれは入手しずらく、かのM氏ですらたいへん苦労されていると思う。

再販は善か悪か?
再販には確かにニーズがある。これは間違いあるまい。顧客ニーズの観点から言ってやはり善ではある。ただ、オリジナルを所有するコレクターにとってはなるべくそっくりに再販してほしくないものである。本当に苦労して汗水垂らして探したもの、多額のお金を費やしてやっとゲットしたものがあっけなく再販されちゃうなんて、報われないではないか。とはいえ、持っていないモデルなら嬉しかったりもする。人間の心理をよく突いておりますな、再販ってやつは。